Dark night of the soul Secret path to the Light

桜咲く国の、花の心に・・・
2014-04-07 Mon 01:51

びかんちくのさくら2

倉敷美観地区(4月2日)。旧大原邸前の倉敷川と白鳥。
満開の桜は、そよとの風もなく、ただひとつの花びらも動かず、
その静的な息遣いが、待ちわびた春を、いまここに留めています。
桜の向こうにあるのは、ヤマモミジの紅い新芽です。

北帰行 わすれ白鳥 花の影 うつす水面の 雲間に遊び


おおはらていのさくら

倉敷川畔の、柳の芽吹きも鮮やかで、春のこの数日こそ、
大原美術館の、有名な「丸窓」からの眺めは、天下一品なのです。
(残念ながら撮影は禁止)

丸窓の 柳と桜 春を留め


椿越しの桜 

一般の桜便りよりも、やや遅めに咲き始める、わが家の桜です。
手前には藪椿、その向こうの低い樹はサクランボ、桜の足元には菜の花。


桜全景2

上の桜を真横から見ると、樹木らしくこんもりと、まあるい形になります。
満開の時期には、ここに友人知人、近所の方を招いて、お花見をいたします。
雨の午後、ようやく西日が射すころの、涼しげな様子です。
時期を少しずつずらして播いた、数種類の菜の花が、周りを囲みます。

ひとしきり 雲の行き交い 雨上がる 風の桜の 花の静けさ


青空に映える桜

枝ぶりは、あちこち伸び放題ですが、ただひとつの花も、
人の意識に染まろうとせず、咲くにも散るにも、「時知りてこそ」なのです。


さくらともものはな 

桜と一緒に、畑では桃の花も咲きます。
すぐそばに植えてあるので、両方を同時に楽しむことができます。
果樹にとって、花とはすなわち、ひとつの器官、役割に過ぎませんが、
対立と止揚を経て、より高く、完成されたものに向かう、美しい姿です。


もものはな

桃の花は、華やかというより勇ましく、元気な男の子のイメージがあります。
女性的なのは、神々の「不死の果実」にも似た、味わい深いその実でしょう。
春雷のとどろく、険しい雲行きの空にも、たじろがすに咲いている・・・
その気迫ある様子は、鬼に金棒ではないでしょうか。

そはまるで かみなり様か 桃の花


桜・作品1

桜を、ぼんぼりのようにして、生けてみました。
椿、桃、小手毬、貝母、クリスマスローズ、菜の花、鈴蘭水仙・・・
どれも、わが家の春を彩る花です。


桃花源の入口

そうして月影は、夜ごとに地上の花を訪ねて、息をもたらします。
桃ばたけも、夜のどこかに吸い込まれてゆきそうな、異界への入口です。

半夜月の 異界へ迷ふ 桃ばたけ

※半夜月(반야월 パニャウォル)


夜半月

半月の夜には、条件によって、月面に不思議な模様が現れる現象があります。
ブランキヌス、 ラカイユ、 プールバッハという、月面クレーターの壁面が、
朝日を浴びて輝くわずかな時間、その稜線を真上から、つまり地球から眺めながら、
そこに現れるある文字を探すのは、地球人にしか味わえない醍醐味です。

月峰の 朝の谷間に射す影は 桃と桜の 輪舞のかなた 


銀河と桜

それにしても、夜の神秘と荘厳さは、ただ花にのみふさわしく
人の存在も、その微かな物音も、思念さえも、恥ずかしいほどです。
星を仰ぐこと。無心であること。万有とひとつになること。
花に、人の心を投じるなかれ。むしろ人こそ、花の心を知るべし。
そのとき、星と花は、人の素肌になるでしょう。

夜桜2

すでにオリオン座は西に傾き、おおいぬとこいぬが、それを追いながら、
五車の星も落ちて行く。木星とふたご座が、帆のような三角を描いて、
松の梢に掛かるころ、青白い妖気の「積尸気」が、天を渡ってゆくと、
天は、銀河の北極に開かれて、勇壮な獅子や、おおぐまが闊歩します。

おとめ座に抱かれて、あちこちに蠢く火星は、ますます地球に近づき、
少し遅れて土星が、正義の女神の天秤に、掛かろうとしています。
まもなく北東の空には、織姫星が、南の低くには、さそり座が昇るでしょう。
春の夜空に、花を浮かべた夏銀河が、流れるでしょう。

黒き髪 梳かしささめく 夜の花 鏤む銀河水の 衣纏わん

※銀河水(운하수、ウナス。韓国語で天の川のこと。ミリネとも)

仙女峰の月夜

もし、桜の花咲く国に生まれた、幸せというものがあるとしたら、
それは、人の心には寄り添わぬ、花の心を知る、その喜びではないかと。



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