Dark night of the soul Secret path to the Light

星の聖痕
2013-12-09 Mon 00:54

12月6日の夜、参議院本会議において、『特定秘密保護法』が可決・成立。
不戦を誓った、日本国の心臓に、またひとつ毒矢が放たれた。

その瞬間を、インターネット中継で視聴した。
頭が真っ白になり、賛成・反対の票数さえ、聞き取れなかった。

人間にとって、もっとも大切なものは、自由だ。

とりあえず、さまざまな印象を、詩の言葉に託そう。
「この星に生きる、いのちのひとつとして」(山本太郎)。
まとまった感想は、できればまた後日に、あらためて。
今夜はすこし、静かな物思いに、ふけりたいのです。


おばか映画の、感動?シーンに流れるテーマの、静謐なピアノ・アレンジ。
Armageddonより、A Wing and A Prayer、他をどうぞ。






星の聖痕


夏は沈み、秋も過ぎ去り、月も、金星も姿を消した、
その夜の底は、暗く、冷たく、よそよそしかったか? 
真夜中は、隕石のように熱く、轟いて、闇を焦がした。
上気する大洋の幻ではなく、取り戻すべき明日が、肉眼で見えた。
あてなき夢や、うつろな瞳は、もうどこにもなかった。

どれほど打ち拉がれても、かならず立ち戻る。
地の息が霜となった朝、旅の彗星を滅してしまった、
あの太陽よりも、ずっと昔に、わたしの命を創られた、神のもとに。
千も万も吹き荒ぶ、世の嵐に抗しながら、あなたの園へ。
夕の風が吹くころ、だれにも隠れずに、もういちど自由に、
知識の果実ではなく、蒼穹の星に、両の腕(かいな)を伸ばすために。

自由の喜びに、胸を張って、歩いてゆこう。
やがて、弓矢も凍る季節がおとずれようとも、
逃げ出して、道に迷い、凍える友らを叱らず、励ましながら、
ひとりからひとりへ、手に手を握り、傷と傷とを重ね合わせて。
雪の衣を血に染めた、気高い姉妹たちを、悼みながら、
その日を恐れず、歴史の荒野に、光の種を、播き続けよう。
葬られた過去は、足音のように消え果てぬ、未来に埋められた地雷。
子どもたちの四肢が、千切れ飛ぶ前に、わが身を与えよう。

それから、どこまでも高く、限りなく上昇してゆこう。
この小さなふるさとだけが、いのちの棲家ではないのだから。
人はもう、鈍色の雨の野で、無心に花を摘む、悲しみの器ではなく、
火の衣を落とした、冬木立のように、威厳ある、七つの光を纏うだろう。
自由な魂は、風見の鶏に、道案内を頼まず、ただひとり立って、
神とともに歩み、いく世も明けぬ闇夜の、絶望と苦悩と不幸を、
すすんで肩に負い、海の極みを踏んで、重力に耐えぬくだろう。

あの月の面(おもて)に、どれほどの岩が、降りそそいだことか。
乳白の頬を、無慈悲に裂いた光条は、霊魂の消えない焼印。
人となり、人のあいだで生きた、神の受けた傷、流した血。
いくたびも混乱し、破壊され、人の罪業に、滅びかけた世界は、
聖痕に焼かれた女たち、男たちの、絶えざる祈り、屈せぬ闘いに、
ようやく赦され、救われ、贖われて、朝のように生まれ変わる。
人知れず、犠牲は成し遂げられ、世界は更新される。

奇跡の星に生まれて来る、まだ見ぬ、子どもたちよ。
天の十字架が、風の大地に突き刺さる、美しい冬の夜よ。


milky-way-from-earth-500x312.jpg
Image of Milky Way behind Earth. Author unknown.




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