Dark night of the soul Secret path to the Light

仲秋夜半
2013-09-20 Fri 00:58

   
名月は、東の空に、愛でるもの。

宴の尽きた、真夜中の丘には、
白い衣、女たちの輪舞。

太陽は昼を、戦士たちと過ごし、
月は夜を、死者たちと過ごします。

夜半の真白な庭。

星の消えた虚空。

子どもが、親の目を盗んで、
裏木戸を、ギィーと開けるように、
魂は漕ぎ出す、垂直の空。


        仲秋の名月2


霊魂は、天の光を、肉に宿すと、
ひとつとすべての前に、
傷ついて、墜落する。

欲望は、海の星にも、網を仕掛けて、
銀のウロコを、捕まえようとする。

世界のはじまりから、
一睡もしない、神の姿に、
悔い改めぬまま、わがままに祈る。

力や慰めや、平和や幸いを
早くよこせと、要求しながら、

安らいで、人は寝入る。

くりかえし、地は震える。

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別窓 | poems
睡蓮
2013-09-17 Tue 23:32

秋晴れの、果てなく、高い空よりも、
紗のような、雨音の優しい、露色の9月。

炎暑の季節を、越えられなかった、いのち。

干からびた、工場の若者。
胃まで焼けた、節電のお年寄り。        
殻を、脱げなかった蝉。
羽根を、なくした蝶の、お弔いに、

天日が、顔を覆って、涙をそそいでくれるのに、
人は追われ、急かされ、仕事に戻される。

睡蓮1


夏山は、豪奢な、緑の絨毯ではなく、
海辺にも、ぶどう酒の波は、打ち寄せず、

青空を浮かべた、池に遊ぶ、
睡蓮の、無心もまた、
ただ慈愛、ただ微笑では、ありません。

今年もまた、知らずに、踏み越えてきたのか。
いつか、世界とお別れする、カレンダーの日付を・・・


別窓 | poems
星の記憶 記憶の星
2013-09-16 Mon 01:49

青い星


この荘厳な、星の姿を、見るたびに、
ここにいま、自分が生きている、実感よりも、
ながい旅を終え、ようやく、戻って来られたような、
懐かしさと安らぎに、涙があふれるのは、なぜだろう・・・・・

星に、もっとも近いものは、花が宿した命。
足元で踏みにじってしまった、青い花たちが、
あなたに残した、ゆるしの香りを、忘れないでください。
目には見えない、調べのような、いく世代もの悲しみです。

墓守りをする女人が、手向けた花に秘めた、愛のなかで、
静かに広がり、解き放たれてゆく、記憶の波が、
生ける星、死せる星、万有を生まれ変わらせる、
輝ける、母の身体となるのです。


月下美人2


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